ケアマネジャーだって「評価」されたい!

ケアマネジャーを紡ぐ会 おおさか支部長
一般社団法人ケアマネ業務支援センター 理事
進 絵美(すすむ えみ)

介護保険って…ケアマネジャーの仕事なんてもうやってられない。
そんな気持ちを一瞬でひっくり返した「ケアマネジャーを紡ぐ会」の信者となること 3 年半ぐらい?
自分自身の経験から、悩めるケアマネさんを一人でも減らしたいと日々ケアマネ業務の後方支援に全集中で取り組んでいます。

日々仕事で色んな価値観に向き合い、疲弊してしまいやすいケアマネジャー。
でも一人で苦しむ必要はないんです。ないはず!

だってケアマネジャーの前に一人の労働者。
自分自身を責め過ぎず、イキイキ働くカッコいいケアマネジャー目指しましょう♪

皆さまは、なぜケアマネジャーの仕事をされていますか?

いきなり質問からですみません。
いきなり志高め?の質問だったかもしれないので質問を変えます。

皆さまは、なぜ仕事をされていますか?

「生きていくためだよ!」というお声が聞こえてきそうですが、
こちら独り言のようにパソコンに向かい、一人黙々と書いておりますので、気にせず先に進みたいと思います。

私自身のことで言えば、そうです。
「生きていくため、生活していくため」に働いています。
なぜその仕事がケアマネジャーだったのか? と聞かれれば
「なんとなく、たまたま資格を持っていた」ただそれだけです。

「ご利用者さんの笑顔が見たい」
「介護の仕事は人のお役に立てる尊い仕事なんだ!」
そんな素敵な志を持ってこの仕事についたわけではありませんでした。

そんな「生きていくため」になんとなくケアマネジャーの仕事を始めた私ですが、
生きていくことができる、生活していくことができるだけのお給料をもらえたら満足できたか?
といえばそうではありませんでした。

ケアマネジャーの仕事をしていると、正義と正義の間に立たされることもあります。
制度のはざまでどうすることもできなかったこともあります。
理不尽な要求を突き付けられたこともあります。

ほんとに「生きていくためだけ」に仕事をしているのであれば、
たとえ仕事の時間にそんなことがあっても特段気にすることなく
ケアマネ業務を黙々とこなしていたと思います。

でも、私は「生きていくため」だけに始めたこの仕事が、
お給料をもらえるだけでよかったはずのケアマネ業務が、
お給料をもらっていても嫌になり、もう辞めようというところまで考えるようになりました。


なぜ私はそんな風に考えるようになったのでしょう?

ケアマネジャーは一人親方とよく言われます。
所属する事業所の方針にもよりますが、担当しているケースの日々の業務は一人で行うことが多く、
自己完結させることが多いと思います。
ケアマネ業務の書類は目で確かめることができますが、それ以外の業務は可視化が難しく、
これで良かったのか? 何が正解だったのか?
いつも漠然とした不安が心のどこかにあるのではないでしょうか?

もしかしたら、可視化できる書類でも、同じ事業所のケアマネジャー個々で
ばらつきがあるということも珍しくないかもしれません。

そんな風にそれぞればらばらで、何が正解かもわからない業務を行っているにも関わらず、
ケアマネジャーとして働いていると「評価」を受けます。

利用者さん家族さんから、またはサービス事業所の方からいきなり、
「それはケアマネジャーとしておかしいんじゃないですか?」なんて言われることありませんか?

事業所内でも、あの人は良いケアマネジャーで、この人はちょっと… … なんていう声が聞こえてきませんか?

ケアマネジャーとしてどこがおかしいんでしょう?

良いケアマネジャーってどんなケアマネジャーなんでしょう?

自分の仕事の「正解」がわからないまま、それでもとにかく日々業務は行わなくてはいけません。

でもある日突然その業務の仕方は「不正解」だと言われてしまうことがあるんです。

「とにかく前進しなさい」と言われ、進み続けると、いきなり「そっちじゃない!」と言われるんです。

何が「正解」かもわからないのに?
そっちが正解なのかとそっちに進めば、また後から「やっぱりあっちが正解」と
言われたりすることもあるかもしれません。

また、今でいうところの「運営指導」で運営基準減算になったら… … 。
それが自分のケースだった場合どうでしょう? 
実際に返金するのは事業所だったとしても、自分が「不正解」と言われた気になりますし、
事業所で「仕事ができない」レッテルが貼られてしまいませんか? 
普段の働きを誰にも「評価」されない、されていないと感じませんか?

「生活のために」と働いていても、
受け取るお給料に対しての「役割」を果たせていないと感じたとき、
「評価」されていないと感じたとき、
私は「生きていくために必要なお給料」をもらえているにも関わらず、
働くことがすっかり嫌になってしまったんです。

志が高いケアマネジャーの方ならもっとダメージが大きいかもしれませんね。

自分の仕事に対する「役割」に取り組み、「評価」を受け、その上で「お給料」を受け取る。

「役割」 ⇔ 「評価」 ⇔ 「お給料」

この「評価」がないと、例えお給料をもらっていても苦しくなるんです。
続けるけることが嫌になるんです。
逆に「役割」に向き合い、そこをきちんと「評価」され、お給料をもらう。

そうなることで気持ちよく働ける気がしませんか?

ケアマネジャーの仕事、良い仕事ですよね。ほんとそう思います。
ですが! 以前の私にはその良さがさっぱりわかりませんでした(笑)

「評価」するにはもっとどういう仕事なのか「具体的」にしていくことが必要なのではないでしょうか?

でも、誰が「具体的」にして、誰が「評価」するのか?

ケアマネジャーといえど、ほとんどの人が労働者としてその「役割」を担っています。
ということは、管理者や経営者が「評価」を行うのではないでしょうか?

皆さまの事業所ではいかがですか?

管理者や経営者による「具体的な評価」ありますか?

「評価」があることで、勝手なことをいう周囲の人たちの「自分勝手な評価」からも
ケアマネジャーを守ることにもつながりませんか?
事業所内の誰も得しない「自分勝手な評価」による不協和音にも効果があるかも?しれません。

きちんと「評価」を受けることが当たり前になれば、
一人で苦しんで嫌になって辞めていってしまうケアマネジャーを減らせると思います。
減らせるだけでなく、前向きに仕事を楽しめるケアマネジャーが増えるかも?
イキイキ働くケアマネジャー、カッコいいですよね。
そんなカッコいいケアマネジャーが増えたら、ケアマネジャーになりたい人も増えるのかもしれません。

世の居宅介護支援事業所の経営者様、管理者様。
ケアマネジャーだって「評価」されたい! んです。

一人親方になりたくてなっているわけではないかもしれません。
そこのところ、どうぞどうぞよろしくお願いいたします。

さあでは、どう「具体的に評価」すればいいのか?そこはまた別の機会に… … !
… …あるかしら?

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