ケアマネジャーは誰の味方か?(10)~介護保険制度の現状を概観する~

ニッセイ基礎研究所主任研究員三原岳

第1回では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を取り巻く環境を俯瞰する図を示しつつ、本コラムの目的として、ケアマネジャーやケアマネジメントの「あるべき姿」から考える必要性を指摘しました。第2回ではケアマネジメントやケアマネジャーが創設された経緯を振り返りつつ、「代理人」の機能が期待される点を論じました。

第3回では代理人機能を考えることで、多職種連携の必要性を指摘し、第4回、第5回はインフォーマルケアを巡る話題、第6回は介護サービス事業者との関係で発生する「公正中立問題」、第7回はローカルルール、第8回、第9回は市町村との関係を考察しました。

第10回から少し表題とズレる面が出て来ますが、介護保険制度の現状を概観したいと思います。

給付抑制と負担増の議論が絶えない理由

皆さんもご存知の通り、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会では、3年に一度の介護保険制度改正に向けた議論が展開されています。その論点として、▽軽度な要介護者を対象とした給付の見直し、▽相談やサービスの調整などを行うケアマネジ...

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