えっ、令和7年度からサービス利用票が改正? ケアマネジャーも大いに関わるTAISとは

株式会社ケアレジェ代表取締役、産業ケアマネ1級、
主任介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士
高松 誠

ケアマネジャーと研修講師の兼業をしております。

『一生ケアマネジャーやります宣言』しています。

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令和7年4月から施行されるサービス利用票の変更により、
ケアマネジャーはTAISコードや届出コードの記載が求められ、事務作業の負担が増える可能性があります。
事前に最新情報を確認し、適切な準備を進めることが重要です。

最近、サービス利用票が改正され、TAISというコードを記載する必要があるという話題が注目を集めています。
これは「介護保険最新情報Vol.1286」(令和6年7月4日発出)によるもので、タイトルは「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正についてです。
この改正によって、サービス利用票(第6表)とその別表(第7表)が変更されることが明らかになりました。
「一部」改正だから大したことはないと思われるかもしれませんが、これにより事務作業の負担が増える可能性があると感じています。

厚生労働省としては以下の通りです。

これまで福祉用具貸与について、居宅サービス計画書と福祉用具貸与実績報告書の記載内容が統一されていなかったことから、今般別添のとおり様式の一部を改正することとし、令和 7 年4月から施行することとしたので関係者、関係団体等に対し、周知をお願いする。

施行は令和7年4月であり、福祉用具貸与との関連が重要なポイントとなります。
福祉用具貸与を行う際には、サービス利用票の様式に、適用するサービスコードに対応する用具の名称(機種名)、およびTAISコード・届出コードを記載する欄が設けられています。

TAISコードという名称を耳にしたことがある方は多いかもしれませんが、深く理解している方は、福祉用具事業所以外では少ないのではないでしょうか。
ここでTAISコードについて解説します。
まず、TAISは「タイス」と読みます。正式には「Technical Aids Information System(テクニカルエイズインフォメーションシステム)」の略で、日本語では「福祉用具情報システム」と訳されます。
このシステムは、公益財団法人テクノエイド協会によって管理・運用されています。協会のホームページには、以下のように説明されています。

福祉用具情報システム(TAIS)は、国内の福祉用具製造事業者又は輸入事業者から、「企業」及び「福祉用具」情報を収集し、当協会のホームページから情報発信するシステムです。利用者や介護者の状態に即した適切な福祉用具を選定するためには、利用される方の身体状況や使用環境などの情報に加え、使用する用具の「仕様」や「機能」、「性能」などに関する情報が必要です。TAISは、全国に散在する福祉用具に関する情報を収集・分類、体系化し、情報提供することによって、福祉用具の適切な選定及び利用の推進に寄与するものです。

TAISコードは、通常、福祉用具貸与事業所から提供されるパンフレットに記載されています。
例えば、馴染みのある置き型手すりなどにも記載があるはずです。TAISコードは、5桁-6桁の計11桁の数字で構成されており、これが福祉用具の識別コードとなります。
また、テクノエイド協会のホームページでは、フリーワード検索機能を使用してTAISコードを簡単に確認できます。
これにより、具体的なイメージをつかむことができるでしょう。なお、TAISコードは介護保険制度の開始時に、市町村へ福祉用具情報を提供する目的で導入されました。
ケアマネジャーの歴史と同様に、介護保険とともに歩んできた存在です。

サービス利用票には、TAISコードまたは届出コードを記載する欄が設けられています。
届出コードとは、正式には「福祉用具届出コード」のことで、TAISコードが取得されていない商品について、介護給付費を請求する際に必要となるコードです。
このコードは、5桁の企業コードと6桁の福祉用具コードから成る半角英数字で記載されます。

「介護保険最新情報Vol.1286」に基づいて発表された居宅サービス計画書標準様式及び記載要領を確認すると、TAISコードや届出コードの記載項目がしっかり追加されています。これにより、記載内容がより細かくなり、正確な情報が求められるようになっています。

6. 第6表 :「サービス利用票(兼居宅サービス計画)」

22「用具名称(機種名)」
福祉用具貸与の場合、適用するサービスコードに対応する用具の名称(機種名)を記載する。

23「TAIS・届出コード」 福祉用具貸与の場合、公益財団法人テクノエイド協会が管理・運用する福 祉用具情報システム(TAIS)上の管理コード、または福祉用具情報システム (TAIS)上の管理コードを取得していない商品の場合は福祉用具届出コード のいずれかを記載する。福祉用具貸与以外のサービスについては空欄とする。

例:00001-000010


7.第7表 :「サービス利用票別表」

5「用具名称(機種名)」
福祉用具貸与の場合、第6表「サービス利用票」の22「用具名称(機種名)」 欄から転記する。

6「TAIS・届出コード」
福祉用具貸与の場合、第6表「サービス利用票」の23「TAIS・届出コード」 欄から転記する。

令和7年4月から施行される新しいサービス利用票では、TAISコードや届出コードの記載が追加されることになります。
これにより、ケアマネジャーとしては、これまで以上にコードの数字を間違えないよう、細心の注意を払いながら利用票を作成することが求められます。
特に、国保連請求の実績確認時期には、これらのコードが正確に記載されているかを厳しく確認されるため、事務的な負担が増えることが予想されます。

さらに、TAISコードや届出コードの性質上、例えば特殊寝台の付属品であるマット、サイドレール、L字バーなどの個々の単位数を一括でまとめることが難しくなり、それに伴い行数が増加します。結果として、第6表や第7表の枚数も増え、プリントアウトすると書類がかさばることが懸念されます。
この一部改正が実務上の利便性にどれほど寄与するかは疑問が残るところです。

もし、TAISコードや届出コードの追加の是非についてご意見をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお寄せください。
いずれにせよ、令和7年4月の施行に備え、「介護保険最新情報Vol.1286」を十分に確認し、しっかりと準備を進めることが重要です。

介護保険最新情報Vol.1286より