小美玉市議会議員
ケアプランセンターみどりの風管理者
政治と介護を紡ぐ会 副会長
山崎 晴生
地域の福祉を良くしたい!の一心で議員になったケアマネ議員
苦手意識を無くしてまずはテクノロジーに触れて欲しい
いよいよ2025年問題突入!
団塊の世代が75歳以上になり、今後、要介護高齢者の増加が見込まれる一方、介護職、居宅介護支援に従事するケアマネジャーの人材確保が難しいとの指摘があり、限られた人材で質の高いケアマネジメントを実現していくためには、日々の業務のあり方そのものを見直していく必要です。居宅介護支援においては、ICT機器を活用した場合の逓減制(ていげんせい)の緩和(令和3年度改定)、一定の要件を設けた上でのオンラインモニタリングの導入(令和6年度改定)など、テクノロジーの活用を踏まえた介護報酬上の見直しが行われ、今後もテクノロジーを活用し、ケアマネジャーの負担軽減や業務効率化を図っていく必要があります。近年の介護現場においては、介護ロボット、センサー、AIなど、様々なテクノロジーが活用されており、居宅介護支援においてもこうしたテクノロジーの活用が図られるよう、ケアマネジメントにおけるテクノロジーの活用をさらに進めていく上で、なかなか進まない状況を鑑みて国において調査研究も進んでいます。
進むテクノロジー活用、でも現場は…?
国は、ICT機器の活用やオンラインモニタリングの導入など、テクノロジーを活用した介護報酬の見直しを進めています。しかし、現場からは以下のような声が聞かれます。
・システムを導入しても業務量が減ったと感じない
・ICTやAIに苦手意識があり、敬遠してしまう
・先輩が拒否反応を示し、若手が意見を言えない
・ケアプランデータ連携を利用している事業者が少なく活用されていない
・忙しくて新しいことを覚える余裕がない
・今の業務が増えることへの不安
国がテクノロジー活用を推進しても、現場の意識改革が進んでいない現状が浮き彫りになっています。そこで、私の地域では、昨年10月に政治と介護を紡ぐ会の事務局長である、東かがわ市議会議員の山口大輔議員に講師を依頼し、小美玉市ケアマネジャー研究会の定例会で『ケアマネ必見! 面倒な作業はAIにお任せ! らくらくケアマネジメント術』と題し研修会を実施したことで、意識を変えるきっかけになったと大好評でした。
ケアマネジャーの業務負担を見直す
業務効率を上げるためには、まず自身の業務を振り返り、負担となっている部分を明確にする必要があります。その上で、ICT化やAIなど、どのテクノロジーを活用すべきかを検討し自分の業務に合った選択をすることが重要だと思います。
「生産性向上」という言葉の違和感
介護現場で「生産性向上」という言葉を使うと、「機械的で心がない」という反発を受けることがあります。介護は人の心を扱う仕事であり、効率化だけを追求することへの抵抗感があるのかもしれません。私も学生の時には「福祉の心は母心」と刷り込まれていましたので凄く違和感がある一人です。
介護の仕事の本質とは
介護の仕事は、利用者が笑顔で生活できるようサポートすることです。ケアマネジャーは、利用者の相談に乗り、必要な社会資源や人と繋ぎ、生活や人生を共に紡ぐ役割を担っています。これは、議員の仕事ともすごく似ているので、私は違和感なく仕事が出来ています。本質と言っても、人それぞれだとは思いますが介護って「笑顔」じゃないかと私は思います。何度、利用者さんや家族の笑顔に救われたことか。だから25年も私は続いています。
テクノロジーは敵か味方か?
私たちは、膨大な書類作成や研修、訪問、連絡調整などに追われ、利用者のために時間を使いたいと思っていても、なかなか実現できない現状があります。
しかし、テクノロジーは決して敵ではありません。むしろ味方にしましょう!
そのためには、我々ケアマネは年齢に関係なく、時代の変化に対応する必要性は有ります。ポケベルからスマートフォンへ、様々な家電が進化し、AIが生活に入り込む現代において、介護現場も変化しなければなりません。「パソコンが苦手」「若い人に付いていけない」などと言っていてはいられません。自分自身がアップデート出来れば必ず味方になります。
まずは試してみる!
新しい技術に触れることを恐れず、まずは試してみることが大切です。合わなければやめても構いません。テクノロジーは、私たちの仕事をサポートし、より質の高いケアを提供するための道具です。私も、仕事の効率化につながるツールを積極的に使っています。テクノロジーの進化には驚くこともありますが、ケアマネジャーの仕事がなくなるわけではありません。私たちは、相手の表情や言葉、動作などから、相手の気持ちを深く理解できるプロフェッショナルです。この能力は、人と人との信頼関係があってこそ成り立つものです。ケアマネジャーの仕事は、これからも必要とされますので、まずは使ってみる!が大切です。
おわりに
令和6年12月12日厚生労働省ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会中間整理の中にも業務効率化、AIの活用などが記載されています。
今後、ケアマネはもちろん介護業界全体で、テクノロジーの活用は必須となります。
皆さんは今、好きなはずの仕事なのに、笑顔で働けていますか?仕事のことを忘れて、自分の時間を確保できていますか?十分に休めていますか?心のどこかで疲れていませんか?本来の思いを見失い日々の業務に追われていませんか?
私たちにも限りある人生があります。家族もいます。守るべきものがたくさんあります。自己犠牲を払い、他人の人生を豊かにする仕事は、時に私たちを疲れさせてしまいます。
テクノロジーを活用して自分の仕事をサポートし、仕事とプライベートのバランスを取ることは、利用者さんの笑顔そして自分の笑顔にも必ず繋がります。テクノロジーを味方につけて、より良いケアマネジメントを目指しましょう。