単独型居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャー
元・医療法人系居宅介護支援事業所管理者
カイゾウ@在宅ケアマネ12年目!!
2019年からTwitterを通してケアマネのあれこれを発信するようになりました。
初めはただ自分の日々の想いを自分の為に吐き出す目的で始めましたが、Twitterを通して繋がりが出来たり、Twitterと共に始めたnoteやMedyで書いた記事を読んでくださる方に巡り合ったことで今では現役ケアマネ視点で発信して、同じようにケアマネを行っている方の気づきに繋がったり、介護の仕事に悩まれている方に届けば良いなと想いながら日々発信を続けています。
アカウント名の「カイゾウ」は亡くなった大好きな祖父の名前を使っています。
発信する時は「カイゾウ」の方がしっくりくるので匿名です。よろしくお願いします。
新人・ベテラン双方の「心持ち」と「介護に対する想い」があれば
ケアマネは長く続けられる。
第2話:ベテランの心境
読者の皆様こんにちは!
どーもカイゾウです。今回の記事は全4話のうち第2話目となります。
ケアマネを長く続けるために、
①新人・ベテラン双方の心境をお互い理解し
②利用者への熱意を上手く表現して
③仕事と自分の時間や仲間との関係性を意識的に考えていくことが大切ですよ~
ということを全4話でまとめ上げたいと思っています。
そんなこんなで第2話目の今回は「ベテランの心境」について書いていきます。
前回は、新人の心境だったので、今回は①の「2」といったところです。
まだ読まれていない方は合わせて読んでいただけると嬉しいです。
かく言う私もつい昨年までは同じ地域で10年以上ケアマネを続けたベテランでもあります。
なので、ベテランの心境は痛い程わかる……。
ベテランケアマネの悩み・苦労
ベテランにはベテランの苦労があります。
新人には全く理解できないことで悩んでいたりもしますが、
それは仕事のステージが異なるので仕方のないことだと私は思います。
ステージと言っても「上下」を表現するものではなく、
経験や組織での地位など「役割」としてのステージと捉えて頂きたいです。
ではベテランの悩みはどんなものがあるのでしょう。
- 担当件数が多いことで利用者の対応に追われてしまう
- 地域の仕事などにも参加を求められる
- 法人内の仕事にも多く駆り出される
- 新人ケアマネの基礎知識に対するフォロー
- いつまでも新人気質が抜けないケアマネのフォロー
- 考えて行動しようとしていないケアマネのフォロー
- 「ベテラン」新人のプライドに対するフォロー
こんな感じの悩みが多いのではないかと思います。
実際私がベテランの頃はこのような悩みが多かったと記憶しています。
法人によっては「居宅介護支援」で黒字を目指してないから法人内のサービス事業所へ紹介を……
というようなグレーな暗黙のルールがある事業所があるかもしれません。
そうとは言え「真っ赤」な数字で良いわけもなく、ベテランは事業所の数字を上げるために自ら担当件数を増やして対応していたりもします。
ケアマネは地域との連携も大切なので、それらイベントごとに参加することも少なくありません。
ベテランになればなるほどケアマネとしての仕事と並行して地域の仕事や法人内の仕事も増えてきます。
正直自分が抱えている仕事だけでも結構いっぱいいっぱいなんですよね……。
その上で新人ケアマネや経歴の浅いケアマネのフォロー等が加わってきます。
ここから前回のお話に繋がってくるのですが、新人ケアマネの「心持ち」でベテランの悩みは大きく変わってくると思います。
新人ケアマネの心持ち
まず、ベテランにはベテランの悩みや仕事があることを理解することが大切だと思います。
ベテランなんだからたくさん仕事があるのは当たり前。
新人のフォローをするのは当たり前という意識がベテランの仕事量を増幅させます。
なぜそのような意識が生まれてしまうのか? その一つに自立心の欠如が関係していると私は思います。
仕事をする上で、ベテランから情報を得ようとする意識が強いことが一つの原因。
もし仕事でわからないことがあるのならば、自ら調べる意識や事業所外のケアマネとの関係構築を図るのもひとつの手だと思います。
正直地域ごとにケアマネの横の繋がりの強弱はあると思います。
ただ、現在はオフラインだけが情報をやり取りできる場ではありません。
ケアマネジャーを紡ぐ会のようなコミュニティーに積極的に参加して情報を得たり、SNSなどで交流を図ることも出来る時代です。
「教えてもらう」ことだけを意識するのではなく、自ら情報を取りにいく意識も大切です。
さらにベテランが教えてくれたことや気に掛けてくれたことに感謝しましょう。そして出来る限り表現しましょう。
相手を思いやることで良い関係性が生まれます。
ベテランの新人に対する心持ち
新人の心持ちと共に、ベテランも新人に対しての心持ちを見つめ直すことが大切だと思います。
過度に新人に期待をしない。悪い意味ではなく、新人に期待しすぎることで新人・ベテラン双方が苦しい状況になりかねないと私は思います。
新人が、仕事が上手く出来ないのは仕方のないことです。自分も数年前には同じ状況であったことを決して忘れてはいけません。
年齢層が異なる人が少人数で集まるのが「ケアマネ」という職種。
経験も異なれば、人生経験も異なります。
同年代の同僚が少ない事業所も少なくないと思います。
だからこそ、自分の経験やルールなどで周囲を見てしまうと苦しくなってしまうと感じます。
特に新人は仕事にすら慣れない状況下で利用者やそれを取り巻くサービス事業所とのやり取りで四苦八苦している。
そんな時、ベテランから優しく声を掛けられると気持ちが和み、エネルギーが湧いてくると新人に再び戻った私は実感しています。
中には、新人ということを理由に甘え切った仕事や自分ルールを逆に押し付けてくる「ベテラン」新人などもいるかもしれません。
そんな時はしっかり時間を作り話し合い、双方にとって良い落としどころを模索していきましょう。
多くの居宅介護支援事業所は3~7人程度の少人数だと思います。
少人数だからこそ事業所内の雰囲気作りが毎日の仕事の質やケアマネとして仕事を続けていく上で大きな要素に繋がるのではないでしょうか。