北名古屋市議会議員
広田幸治
介護施設での経験が豊富?な市議会議員
基本が大切
愛知県にある北名古屋市の議員ひろた幸治です。
北名古屋市?という方へまずお伝えします。名古屋市北区ではありません。北名古屋市です。
今回は私の苦労話をお伝え、いえ、私の施設ケアマネとしての経験から得た「上手に業務をするコツ」をお伝えします。
30
30。この数字は私が勤務をしたことがある介護施設などの数です。派遣会社と契約をして、派遣社員として長い施設では数年、短い施設では数カ月、一度に複数の施設で勤務をして1週間で3つの施設で働いていた事もあります。
多いか少ないかは分かりませんが、これだけの数の施設を経験するとそれはもう色々な経験をしてきました。今は市議会議員ですが介護の仕事を通じて学んだ事は沢山あります。
はじめの一歩から失敗
私のケアマネジャーとしての経験はほぼ介護施設です。ケアマネジャーの資格を得て最初に勤務をしたのは老人保健施設。入社してびっくり。なんと入所者が100名いるのにケアプランが存在したのが1名。信じられないと思うかも知れませんが本当に1名でした。
過去数年遡ってもまともにケアプランが作成をされていた入所者はほぼ居ませんでした。ケアマネは僕一人。前任者は2カ月で退職していてすでにおらず、そのさらに前任者は数年勤務していたのにケアプランを作成していなかった事が分かりました。それなのに入社した翌月に実地指導。入る職場を完全に間違えたと思いました。
初めてケアマネとして働いて
ケアプランがほぼ存在をしない施設。当然のように入所継続検討会議や〇〇委員会なども一切ありませんでした。入所者のアセスメントをしようとすると「前のケアマネはレクレーションや介助をしてくれた。歩き回ってるケアマネなんてあなたくらい」と職員から苦情をいただき、サービス担当者会議をしようとしたら「なんですかそれは?そんな事言われたこと無い。一人でやれば良いじゃない」と言って怒られる事も……。語りだすとキリが無いのでここまでにしますがそんな事ばかりありました。
グループホームにて
ケアマネとしての経験2か所目はグループホーム。ここではケアプランはありました。でもアセスメントシートなどの書類はありませんでした。ケアプランの内容はとても質素で、「安全に過ごす」のような具体性の無いプランでした。そこで具体的な数字を入れたケアプランを作り直す作業をしたところ、出てきた意見が「そんなケアプランは見た事ない」「(サービス担当者会議をしたのに)勝手にケアプランを作った。プランなんか私たちには関係ない」などのご意見でした。
失敗からの学び
以上は今までの経験の一部です。ケアプランを作成するまでに、してからも色々と上手く行きませんでした。失敗と試行錯誤の繰り返し。そんな経験を経て学んだことは以下の通りです。
- 一人ひとりの知識量に差がある。ケアプランに基づいて支援をしていく事を知らない、意識しない人もいる。
- (やらないといけない事でも)今までしていなかった業務が追加になるのは嫌。嫌なものは嫌。
- ケアプランが無くても現場は動いているという事実。
- その他諸々。
これらを踏まえた、施設ケアマネとして業務をするコツは現場を尊重しながら丁寧な説明を心がけ、一人ひとりを自分がどうにかしようではなく立場が上の方など他の職員に影響力のある人を頼り、自身は縁の下の力持ちと弁えた「根回し」。これだと思います。
ただし、これだと決めつけるものではありません。あくまでも経験を踏まえた上での一つの意見です。この意見は必要以上に他者に対してへりくだっているわけではありません。一人で頑張ろうと思っても現場で働くわけではありませんし一人だけの頑張りでは限界があります。自分が給料を支払うわけでもないし、上の立場でもありません。他人を動かそうと思ってもそうは簡単に動きません。ケアマネジャーとしての立場があるだけですから、これらは当たり前と言えば当たり前とも言える事です。なにも難しい事ではありません。その基本を守りながらケアマネジャーとして動いていくと、これが思った以上にスムーズに(それでも色々あるけど)進むようになりました。
今回はあくまでも自身の経験を踏まえた話に過ぎませんし特別なコツでもありませんが、基本中の基本を守る事で仕事が無事にできるようになった一つの経験談からの意見です。
施設ケアマネとしてのコツとして話をしましたが、おそらく他の職業などでも基本的な事は同じかと思いますので一つの意見として受け止めていただけるとありがたいと思います。