利用者・家族とのコミュニケーションで気をつけていること

単独型居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャー
元・医療法人系居宅介護支援事業所管理者
カイゾウ@在宅ケアマネ14年目!!

現役ケアマネ視点でケアマネ業務や介護のあれこれを定期発信しています。

ケアマネジャーは他のケアマネジャーが利用者・家族とどのように接しているか知る機会が少ないと思います。
今回は利用者・家族とのコミュニケーションで私自身が意識していることをお伝えし何かの気づきに繋がればと思っています。

どーもカイゾウです。

今回の記事は「利用者・家族とのコミュニケーション」をテーマに書いてみたいと思います。

いきなり私の自慢を書かせて頂きますが、私は14年間のケアマネジャー歴の中で利用者やご家族から「ケアマネ交代」を言い渡されたことはほとんどありません。

ほとんどというのは私の記憶では1件もないのですが、もしかしたら記憶から抹消してしまっているものが万が一あったとして「ほとんど」という表現をさせて頂きました。

これって自慢になりませんか?(笑)

私はコミュニケーションが得意でもなければ、むしろコミュ障と言えるタイプの人間だと自分では思っています。

誰からも好かれるタイプでもないので、友人も多くはありませんし、普段極力コミュニケーションを避けている節がある内向的なタイプです。

でも、利用者・家族との面談ではこれから書くことを駆使して、結果「ケアマネ交代」の経験がありません。(ないということにしてしまいます(笑))

新規依頼を頂いて初めて利用者宅へ訪問する時。

私は14年間毎回緊張して訪問しています。「どんな人なんだろう?」「怖い人だったら嫌だな」「私の話を聞いてくれるかな…」などなど毎回頭の中にはマイナスの考えが浮かびながら訪問しています。

私は初めて会う利用者・家族に対して「好印象」を与えようとはしていません。

むしろ「悪印象」を与えない為にはどうすれば良いかを考えています。

「好印象」はケアマネのキャラクターや利用者との相性によって「与えられない」場合があると思いますが「悪印象」はポイントを抑えれば与えずに済みます。

初めに「悪印象」さえ与えなければ「話を聞いてもらう」というステージには上がることが出来ると私は思っています。

初回訪問が問題なくクリアできれば、その後は余程のことが無い限り利用者・家族との関係性に大きなヒビが入ることはありません。

それほどインテーク(導入)は重要な面談だと思っています。

ここからはインテーク以外にも共通するコミュニケーションについてお伝えしていきます。

とても普通なことから言い始めますが、利用者宅へ伺い利用者・家族と顔を合わせた時、笑顔で挨拶していますか?

私は毎回必ず玄関先や利用者の居室等、訪問して最初に顔を合わせた時に目を合わせ笑顔を向けた後に30度頭を下げて「敬礼」で挨拶をします。そして退席時も同様に敬礼をします。

挨拶をしっかりすることで、自分の気持ちを引き締めるだけでなく、相手にも「これから面談が始まる」という場の空気を作る意味も込めて行っています。

挨拶をしてからは軽くアイスブレイクを挟み、すぐにモニタリングを始めます。「雑談ではなく、利用者の近況を伺いにきた」という雰囲気を保つためです。

こうすることでメリハリのある面談に繋がると共にケアマネジャーとして話を聞きに来ているという意識が相手にも伝わり、必要な話を聴きだすことに繋がっていると私は思っています。

先ほど「インテーク」の章で「話を聞いてくれるかな」と心配をしていた私ですが、私(ケアマネ)の話を聞いて欲しいのは「説明」の時だけ。それ以外はむしろ「利用者が話をしてくれるかな」の方が気になります。

なので、モニタリング等の面談では如何に利用者・家族から話を聞きだせるかを意識して会話をしています。

利用者・家族に9割以上話をして貰い、ケアマネは1割程度言葉を発するのが面談では好ましいと私は思っています。

何故ならケアマネは利用者・家族の現状を把握する為に面談をしているから。

自分がベラベラ喋っていては肝心なことを何も聞くことが出来ません。ケアマネが必要以上に話をする時間はハッキリ言って無駄です。

利用者の近況・サービスの利用状況を会話をしながら聞き出していく。そして会話の中から読み取れる変化にも意識を向けて面談する。

そうすることで必要な情報を短時間で知ることが出来ます。

話を聞こうとするとする時。相手の言葉に意識がいくと思います。

でもケアマネが知るべきことは利用者・家族の言葉からだけではありません。利用者・家族の表情、声のトーン、家の空気感や温度、匂いなど利用者・家族やそれを取り巻く空間に意識を向けます。

そうすることで、利用者・家族の言葉から読み取れる情報が変わってくると思います。

例えば「変わりないよ」と言う利用者の表情が曇っていて声にも張りがなかったら「何かあったのかも」と意識することが出来ます。

そしてご家族に「何か変わったことはありましたか?」と質問することに繋がる。

結果「1週間前からちょっとお腹の調子が悪いみたいで…」と利用者以外から変化を聞き出すことに繋がり対策を考えることにも繋がっていく。

このような「気づきの連鎖」を生み出すことがケアマネがやるべき仕事の1つだと私は思っています。

私が利用者・家族とのコミュニケーションで主に意識していることは今日書き出したことです。

初っ端から悪い印象だけは与えずに、笑顔・挨拶と場の空気感を大切に、会話は利用者・家族に9割話して頂いて、その様子から読み取れる些細な変化を発見するだけ。

これらを意識するだけで利用者・家族から「ケアマネを変えて欲しい」と言われない程度には信頼頂けると思います。

何か参考になれば幸いです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。