ニッセイ基礎研究所三原岳
今コラムの第1回では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を取り巻く環境を俯瞰する図を示しつつ、本コラムの目的として、ケアマネジャーやケアマネジメントの「あるべき姿」から考える必要性を指摘しました。今回から図を用いつつ、それぞれの関係者で起きる摩擦と背景などを考察していきます。
第1回で使った図を再掲すると、下記の通りです。この図は本コラム(特に上半期の連載)で何度も引用することになりますので、少し頭に入れて頂けると幸いです。今回は利用者との関係性で起きる摩擦や理由の根本的な原因を探るため、ケアマネジメントとケアマネジャーが創設された経緯を立ち返ります。
良く知られている通り、介護保険は2000年4月にスタートしました。当時、私は駆け出しの新聞記者でしたが、「高齢者による自己決定」「介護の社会化」「地方分権の試金石」などの言葉が飛び交い、バラ色の高齢化社会が来るかのように報じられていたのを覚えています。
その時に作られたのがケアマネジメントであり、ケアマネジャーでした。介護保険制度の創設に関わった有識者はケアマネジメントとケアマネジャー...
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