福祉・医療制度改革ズームイン!(5)~認知症基本法施行で何が変わる?~

ニッセイ基礎研究所上席研究員三原岳

2024年が始まりました。2024年度は診療報酬、介護報酬、障害者福祉サービスのトリプル改定に加えて、6年サイクルの都道府県の医療計画、3年周期で見直される市町村の介護保険事業計画、様々な制度改正が重なるタイミングになります。

さらに、認知症の人の人権や尊厳尊重、国や自治体の施策強化などを盛り込んだ「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(以下、認知症基本法)も1月1日から施行されました。

では、認知症基本法の施行で現場は一体、どんな影響を受けるのでしょうか。この点を今回は考えたいと思います。

条文は37条で構成

認知症基本法は2023年6月、成立しました。法律制定の議論は当初、自民党、公明党で先行し、2019年6月に法案が提出されたのですが、野党を含めた超党派による審議に変更され、条文などの調整を経て成立しました。

(与党提出時の内容はこちらで入手できます)

法律の全条文については、政府の法令検索サイトで把握できるほか、末尾にも参考資料として、条文の構成と概要を載せましたので、ここで...

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